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閑話

 たまにはこんなお話でも。
 とりとめのないことなので、おひまな方だけお読みください。

 生まれてから25年、聴覚障害歴も23年。
 まあそれだけやっていれば、悩みも、喜びも、人生のヒヨコなりにいろいろなことがありました。それで、いつからだったかはっきりとは思い出せませんが、ここ半年くらい思っていることがあるんです。
 「人間、生きていればいずれは耳も遠くなるし目も悪くなる。体のあちこちで立てつけが悪くなる。薬を飲まなければいけないようになるし、体もよう動かせへんようになるし、周りの手をわずらわせるようなことも出てくるだろう。
 じゃあ、わたしのいまの状態っていうのは、人さまよりどうも多少早く耳にガタがきて、人さまよりいくぶん長く聞こえの不自由さとお付き合いをしていかなきゃならん、ってことなんじゃなかろうか」
 と。
 一般的な「耳が悪くなる時期」とはどうもズレてしまったけれど、いずれどこかが悪くなるのだし、一病息災くらいがちょうど良いのかもしれへんな、と、なんだかそういう風に思うわけです。

 そしてまた、お年を取られた方が役に立たないかっていうと、これはもう全然そんなことはないわけで。膝が痛い、糖尿だ、薬を山盛り飲んでいる、というウチの祖母だって、口も頭も達者で元気だし、あちこちで世話焼きに忙しいお人です。
 診療所でお会いした患者さんも、そう。
 「どうも腰が痛くて~」と来られた患者さん。「昨日仕事してたから」の言葉にびっくりして、思わず「仕事ってなんですか?」と尋ねたら、「田んぼよ、田植えしとったの」。カルテを見ると80歳とか書いてあるんです、これが。

 年を取る、老いる、どうも体やらどっかの具合が悪い、障害がある、それは一般的に見るとマイナスイメージでとらえられています。やっぱりいつまでも若くいたいし、病気になったり障害なんて持ちたくないでしょう。
 だけど、自分の祖母を含め、人生の先輩がたの様子を見ていると、老いて体の調子が悪くなっても、とてもイキイキしていらっしゃる。それも、けっして特別すごい人というわけでもなく、ふつうにそこらへんにいる人なんです。

 耳の話に戻って。
 時期が早かったり多少程度が重かったりして、人さまにご迷惑をおかけしたり、手をわずらわせるようなこともあります。でも、だからといって何にもできないってことは、たぶんありません。
 膝が痛い、腰が痛い、ああしんど。そう言いながらおばあちゃんたちは元気に歩きます。
 (滋賀では「しんどい」を「えらい」と言うので、「ああ、えらいわ~」かな)。
 もちろん無茶なことはできませんし、いわば「年寄りの冷や水」にならないように気をつけないといけないところもあります。
 だけど、年を取ったから、耳が悪いから、あそこがダメだから、と自分で自分を四角いハコの中に押し込めなくっても、いいのかもしれないなあ……。

 そんなことを、ぼんやりと思いました。

文責:Kumiko
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基本的なこと

耳の模式図

 まずは上の図を見てください。
 この図は、音を伝える構造をおおまかに示したものです。

 音は、耳の穴の中へ入ると、外耳道を通って鼓膜まで伝わります。そして、鼓膜から耳小骨へと音の振動が伝わっていきます。まずツチ骨、次にキヌタ骨、最後にアブミ骨。そうやって耳小骨を伝わることによって、音は増幅されて耳の穴に入ってきたときよりも大きくなります。
 アブミ骨のおわりは内耳の蝸牛につながっており、音はここから蝸牛へと入ってゆきます。
 蝸牛は、図のようにうずを巻いた、カタツムリのような器官です。
 このカタツムリ(蝸牛)が何をしているかというと、振動として伝わってきた音を、脳に伝えることができるように電気の信号に変換するということをやっています。ここで電気信号に変換された音の情報は、聴神経を通って脳にまで至り、音やことばとして認識されます。

 さて、聴覚障害といったとき、実はどこに障害があるのかによって、大きな違いがあります。

(1) 伝音難聴
 外耳と中耳に障害があるとき、音の振動をうまく内耳まで伝えることができません。これを「伝音難聴」といいます。伝音難聴は、その名のとおり音の振動を伝えるところの難聴なのです。たとえば、中耳炎によって中耳に炎症が起きると、伝音難聴になります。
 綿棒で鼓膜を突いてしまって、耳小骨のつながりがばらばらになってしまったりしても、伝音難聴になります(これを耳小骨連鎖離断といいます)。
 伝音難聴では振動が伝わってきにくいだけで、音を感じるところには問題がありません。そのため、音の振動を強くする、つまり音を大きくすることによって、言葉を言葉として理解することができます。ですから、音を大きくすることのできる補聴器が使えますし、また手術もすることができます。

(2) 感音難聴
 内耳から先に障害があるとき、音を電気信号に変換して脳まで伝えることがうまくいきません。これを「感音難聴」といいます。振動は伝わってくるのですが、音を「感じる」ようにするための器官のどこかに障害がある、それが感音難聴です。
 感音難聴では音を感じるところに問題があるので、音の振動が伝わってきても、それが何の音であるかを感じ取ったり、ことばとして感じ取ったりすることが難しくなります。
 そのため、感音難聴の場合は(障害の程度にもよりますが)、ただ単に音を大きくしただけでは「ことば」として理解することが難しいのです。しかも、一度障害を受けてしまうと、その機能を回復することが非常に難しく、有効な治療法がいまはほとんどありません。
 ですから、感音難聴の場合、より生活(コミュニケーション)に不都合が生じてきやすいです。

(3) 混合難聴
 伝音難聴もあるし、感音難聴もある、というタイプの難聴です。
 たとえば耳硬化症という病気がありますが、この病気は最初、伝音難聴です。しかし、進行してくるとしだいに内耳のほうまで侵し、感音難聴になってしまいます。他に、真珠腫性中耳炎などもそうです。

 ここで話題にする聴覚障害というのは、主に「感音難聴」(そして、感音難聴を含んでいる混合難聴)をさします。
 ですから、次に「感音難聴」について、もうすこし詳しくお話をしましょう。

文責:Kumiko

医師国家試験-2

 医師国家試験は3日間で500問を解く長丁場です。
 試験はマークシートで、
必修の基本的事項:一般問題(1点×50問)+臨床実地問題 (3点×50問)
一般問題:医学総論(1点×120問)+医学各論(1点×80問)
臨床実地問題:医学総論(3点×50問)+医学各論(3点×120問)+長文(3点×30問)
 構成は上記のようになっており、得点は「一般問題」が1問1点、「臨床実地問題」が1問3点で計算され、「必修の基本的事項(必修問題)」が200点満点、「一般問題」が200点満点、「臨床実地問題」が600点満点です。
 必修問題は絶対評価で80%を取る必要があり、総論・各論は相対評価で例年65%~70%くらいの得点率までの人が合格します。
 また、必修問題には「禁忌(選択枝)」というものがあり、その選択枝を選んだ人は「禁忌を踏んだ」と俗に言います。禁忌である選択枝がどれかはわかりませんが、「その選択をすると非常に危険な状態になる」というものが禁忌となります(例:閉塞隅角緑内障にアトロピン)。
 この「禁忌」は2つまでなら間違えて選んでしまっても良いのですが、これを3つ以上間違うと、たとえ全体として80%以上得点していても、不合格になる可能性があります。
 (禁忌選択枝を選択しても良い限度の数は、今後変わる可能性もあります)。

 ざっと概要を説明するとこのような感じでしょうか。
 細かいことはおそらく今後もどんどん変わっていく可能性があるので、今年がどうだったか、というのはここでは書きません。

【実際の試験について】
 1日目の最初の試験の前に、監督員に人工内耳を使用すると伝えました。
 「医師国家試験-1」で書いた通り、試験に当たっての注意事項はすべて文書で伝達されます。また、「1時間を経過しました」「あと30分です」「あと15分です」などの残り時間も文書で教えていただきました。
 監督員がずっとそばについているわけではなく、説明のときと時間の伝達のときに紙を持ってきてくださいます。ですから、注意事項に関しては聞き漏らしたり、間違ったりするという心配はしないで済みました。
 それと、補聴器・人工内耳を使用している場合、申請しておいたほうが良い、という理由にもうひとつ付け加えます。
 試験前の注意事項で、「携帯電話などの電子機器はすべて電源を切り、鞄の中にしまってください」と伝えられます。
 補聴器や人工内耳も電子機器ですから、必ず申請しておきましょう。
 さきほども書いたとおり、試験はマークシートです。
 今のところ実技はありませんし、リスニングをしなければいけないということもありません。
 ですから、試験が始まってしまえば条件は他のみんなと同じです。

【国家試験を終えて】
 これを書いているのは国家試験終了の翌日なのですが、もう、1週間くらい前の出来事のような気がします。というより、昨日の時点で、すでにそんな感じになっていました。
 終わったあとは友達と打ち上げに行ったのですが、その時点でみんな口々に「昨日のいまごろは勉強していたんだよね」「もうだいぶ前のことのような…」などと話していました。
 たかが3日間、されど3日間。
 開始前は、たった3日間だし、模試だって3日間で同じような内容のものを解いて慣れているはずだし、と思っていましたが、本番はやっぱり違います。1日目はまだよくても、2日目、3日目と日を重ねるごとに、精神力や集中力や、いろんなものが削られていくようでした。
 よく、先生がたが「国試だけはもう二度と受けたくない」とおっしゃる意味を身にしみて感じた……そんな3日間でした。
 そこに聴覚障害があるかないかなんて関係なく、本当に、精神力と体力勝負です。
 知力はとてもよくできる人と、極端にできない人を除き、普通に勉強していればみんな似たり寄ったりのところをさまよっているので、この場合もう精神力と体力です。
 受かる、受からないは別として、3日間を無事に受けてこられた、そのことが今は一番うれしいかもしれません。とりあえず、ひとつの通過点を過ぎました。今後の問題は山積していますが、良い報告ができるといいなと思います。

 いままで書いてきたことが、これから医師になろうとしている人に、何かしらの助けになっていれば良いなと思います。読んでくださってありがとうございました。

医師国家試験-1:前項|もくじ|次項:医師免許の申請
文責:Kumiko

医師国家試験-1

 第102回医師国家試験(平成20年2月16・17・18日)が終了いたしました。
 そのことについて、ここでまとめたいと思います。まずは受験前のことから。

【医師国家試験にかかる申請:特例措置の許可】
 「医師国家試験にかかる申請-2」で申請した事項について、2月6日に郵送で特例措置の許可を頂きました。A4用紙2枚に、以下のような通知でした。
特例措置の許可
特例措置の許可:別紙

 「人工内耳」で申請しましたが「補聴器」となっているため、大学の学生課を通して確認していただいたところ、大丈夫とのこと。上記の用紙を持参し、試験監督に見せるようにということでした。

【直前講座(ラストV講座)】
 国家試験前日の2月15日に、医師国家試験の予備校(TECOM)による直前講座(ラストV講座)があります。受験地である北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県の各地で開催され、東京は講師による直接の講習、東京以外の各地ではネット中継になります。
 ネット中継ということで、聴覚障害があると少し厳しいなと申し込みを躊躇しましたが、結局申し込み、それは結果的に良かったと思います。その時に友人の協力でTECOMに事前に問い合わせ、人工内耳の外部接続端子に直接イヤホン端子からコードをつないで聞けるようにしていただきました。
 補聴器のほうには外部接続端子がないので使えませんが、自分が聞きやすい設備などがあれば対応していただけると思います。
 これは必須ではなく自由参加ですし、参加しなくてもいいものです。
 この直前講座を受けなければ落ちるとか、そんなこともありません。
 ただ、学年のほとんど全員が出席することが多いので、直前にみんなと一緒にいることの安心感は得られました。
 また、講座を受ける部屋は受験地の近辺にあるホテルの部屋を大学ごとに割り振ってくださるので、同じ部屋には同じ大学の人しかいません。友達に頼んでノートを見せてもらうことも、もちろんできると思います。
 実際に聞いてみた感じでは、テキストが充実しているためそれほど苦労はしませんでした。また、講師の先生がテキストにないことを喋っているときは、講師の先生の顔がスクリーンに映るので、唇を読むこともできました。

【直前講座のあと】
 滋賀医大の場合、滋賀から大阪まで微妙に遠いため、学年の「ホテル班」の人たちがホテルを予約してくれます。学年のほぼ全員が申し込むので、ほぼ全員同じホテルに宿泊しています。
 ですから、前日講座を受けたあとはホテルにチェックインし、友人と夕ごはんを食べて最後の見直し。喋っていると知識の整理にもなるし、緊張感もやわらいできます。

 次は、いよいよ受験当日。次項にうつります。

卒業試験:前項|もくじ|次項:医師国家試験-2
文責:Kumiko
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