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就職活動-5

 最後に、採用試験のことについてお話したいと思います。

【採用試験】
 多くの病院では7月末から8月末にかけて、採用試験を行います。
 採用試験の内容は病院によって違いますが、おおむね面接・筆記試験・小論文の3種類です。面接のみのところや、筆記試験だけのところもあります(自大学の附属病院などは面接なし・筆記のみのところもあります)。
 これは本当にバリエーションに富んでいるので、病院見学・実習のときに研修医の先生と一緒にいるチャンスがあれば、必ず採用試験の内容について聞いてみてください。
 マッチング対策の詳細についてはここでわたしが書いていることよりも、『ハローマッチング '07 (毎年新版が出ます)』や『医学生のためのマッチングガイド』などを読んだほうが、はるかにわかりやすいし、ためになります。
 以下では主に聴覚障害と関係のありそうなところのお話にとどめておきます。

(1) 筆記試験・小論文
 筆記試験や小論文のあるところでは、もし不安ならば事前に注意事項を書面で伝達していただくようにお願いしておいたほうが良いかもしれません。
 あるいは途中で何かあれば、筆談で伝えていただくようにお願いしておくと安心です。

(2) 面接
 面接にもいろいろな種類があり、中には少々意地の悪いタイプの面接もあるのですが、それは上記の本を読んだり、自分で調べていただいて準備していってください。
 そのうえで、事前の準備に付け加えるとすれば下の3点です。
「面接の形式を確認しておく」
 わたしが採用試験を受けた病院のうち、1箇所は複数人での面接形式でした。
 この病院の場合は事前に面接形式を知らせず、わたし以外の人たちも「複数人である」ということを知らずに驚いていたので、事前の準備ができないまま試験を受けることになりました。
 複数人とはいってもディスカッションではなく「順番に答えていく」というだけの形だったので、何度か聞き返させていただいた以外は普通に面接を終えることができたのですが、事前に病院の面接形式をしっかり調べておく必要があると感じました。
 複数人がディスカッションするような面接形式であれば、変更していただくようににお願いするか、手話通訳など必要な配慮を申し出る必要があるかもしれません。

「自分の聴覚障害について、説明できるように整理しておく」
 難聴の程度をデシベル数で表しても、専門外の先生にはいまいちピンとこないことが大半です。また、補聴器や人工内耳をつけてどの程度聞こえているのかも人によって違います。
 この作業がいちばん難しいかもしれません。
 なぜなら「どの程度聞こえているか」は非常に主観的な問題であり、また聴覚障害を持つ人個人にとっては比較対象がないために、自分の聞こえがどの程度かを言葉にすることが難しいです。けれども、これは必要なことであると思います。
 ヒントとして。
 音としては聞こえるが言葉としては唇を見なければ認識しにくいこと、そのため院内PHSでは聞き取りが落ちる可能性が高いこと。
 補聴器あるいは人工内耳をつけた状態で、ナースステーションのアラームが聞こえるかどうか、また聞こえても何の音か判別できるかどうか。
 以上の2点が客観的な指標としても使えるので、説明しやすいと思います。

「自分の聴診器などは必ず持っていく」
 わたしは結局、事前によく話し合いをさせていただいたことと、試験官に話し合いをさせていただいた先生がいらっしゃったおかげで、面接で聴診器やFMシステムを見せることはありませんでした。
 しかし、「聴覚障害を補うために使っているものがあるかどうか」という質問を想定して、聴診器とFMシステムは面接のとき必ず持って行きました。
 また、前回「就職活動-4」の「お話をするときに気をつけたこと」とかぶりますが、面接のときに気をつけたいポイントには次のようなものがあります。
「質問が聞き取れなければ、あいまいにせず聞き返す」
 なによりもまず、これが大事です。
 聞き返しかたにも工夫が必要で、「えっ?」では少し印象が悪いですね。
 だから、聞き取れたところまでは確認の意味でも反復し、それ以外の文が聞き取れなかったのでもう一度お願いします、と言うように心がけました。まったくわからなければ「もう一度お願いします」と、何度でも確認を取ってください。

「あいまいなところは反復する」
 聞き取れたけれども内容が正確かどうか不安なときは内容を反復し、そのうえで「これで良いですか?」と確認をしてから質問に答えました。
 たとえば「~についてどう思いますか?」という質問に対して、「~についてどう思うか、ということですね」というふうに。
 さらに、聴覚障害に関しての質問がされることがあります。
 わたしが聞かれたものは、次の通りです。
「聴覚障害を補うために、必要なことはありますか」
 これに対して、自分は「先生がたをはじめ、スタッフの皆さまの協力が一番必要である」という旨を答えています。これは人によってさまざまでしょうし、聴覚障害の程度によって異なりますから、自分でよく考えていってください。
 この質問を見てもわかるように、自分の聴覚障害については聞かれることを想定して、ある程度きちんと言葉に整理する必要があります。
 さいわい自分は聞かれませんでしたが、「聴覚障害があっても医師として働いてよいのか」ということについても、自分なりの答えを出しておいたほうが良いでしょう。

 ここまで書いてきましたが、最後に。
「落ち着いて、受けてください」

 振り返ってみると準備が遅かったことや、足りなかったことがあると痛感するばかりです。
 紆余曲折ありましたが、なんとか研修先の病院は内定いたしました。
 ひとえに、研修先の病院をどうしようかということで悩んでいたときに相談に乗ってくださった大学の先生がたや、研修担当の先生がたのおかげでここまで来られたのだと思います。
 悩んだとき、迷ったときは、こちらの掲示板や、聴覚障害担当の先生に相談してみてください。いろいろな方のお話をきちんと聞き、そのうえで自分の道を選択していくことができれば、と思います。

就職活動-4:前項|もくじ|次項:医師国家試験にかかる申請-1
文責:Kumiko
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就職活動-4

 さて、6年生の6月ごろから、いよいよ就職活動が本格的になってきます。

【6年生以降の動向】
 6年生の6月から、就職に関するスケジュールが順々に進行していきます。
 おおまかな流れとしては、マッチングプログラムに登録し、希望する病院の採用試験を何か所か受けて、希望の順番に順位を登録、そして最後に結果発表、ということになります。
 採用試験はいくつ受けても構いません。ひとつしか受けないという人もいますし、10か所以上の採用試験を受けたというツワモノもいます。
青字:マッチングプログラムのスケジュール
黒字:それ以外のスケジュール
(注:カッコ内は平成19年度の日付です。毎年変更があります)
■6月
 6月上旬 (6月27日(木)):マッチングプログラム参加登録開始
 病院の願書受付開始:早いところは6月から。
■7月
 病院の願書受付開始:多くの病院が7月上旬に受付開始。
 7月下旬 (7月26日(木)):マッチング参加登録締切
 採用試験:7月末ごろから採用試験が各地の病院で始まります。
■8月
 採用試験:8月の週末(金曜日~日曜日)に採用試験をする病院が多いです。
 8月末 (8月30日(木)):マッチング希望順位登録受付開始。ここで、採用試験を受けた病院を、希望する順に順位を登録します。
■9月
 9月中旬 (9月13日(木)):希望順位登録中間公表前締切
 中間公表前締切の翌日 (9月14日(金)):中間公表、ここで順位をつけた病院にどのくらいの人が1位登録しているかを確認できます。不安に思ったら、この時期から10月上旬まで順位の変更ができます。
■10月
 10月上旬 (10月4日(木)):希望順位登録最終締切
 10月中旬 (10月18日(木)):組み合わせ結果発表となり、研修先病院が決定します。どの病院にも決まらない(アンマッチになる)こともあります。
■それ以降
 病院の二次採用試験:マッチングプログラムで研修先が決まらなかった人(アンマッチだった人)は、ここで採用試験を受け、各々で研修先を決定していきます。
 まず、マッチングプログラムのスケジュールは以上のようになっています。
 今後変更される可能性もあるので、6年生になってから大学の説明を受けてください。

■実際の状況:6月~8月
 6月から8月にかけては、平行して病院実習も同時にやっている人が多いです。
 わたしも6~8月にかけて、あちこちの病院を見学・実習させていただきました。ただ、滋賀医大はこの時期に時間をとるのが難しく、3日以上かけて十分な実習ができなかったところがほとんどです。ですから、大学のカリキュラムをふまえて時間を取れるように、5年生の春休みごろには計画を立てておくのが重要かな、と終わってみてから思います。
 また、6月から8月にかけての時期に、病院によっては院長先生や、研修担当の先生と何度か面談を繰り返して、お話をさせていただく機会がありました。
 ここでお話をする際に気をつけたことは
・お話で聞き取れないことがあれば、必ず聞き返して内容を確認する。
・まず相手のお話をよく聞く。そのうえで誤解があれば訂正する。
・自分の意見を主張しすぎない。あくまでも謙虚に、自分の状況を説明する。
・ただし、聴覚障害があることで、ほかの人より時間がかかる可能性のあることや、難しいことがあるということはきちんと伝える。
・それに対して相手がどう思っているかを確認する。
・ほかの人と違う器具(わたしの場合、聴診器とFMシステム)は必ず持っていき、それを見せることで難しいこともこうすれば可能である(ただし十分ではない)と伝える。
 以上のようなことでした。
 このようにきちんとお話をしておいたことは、とても良かったのではないかと、あとから振り返ってみて思います。「うちでは受け入れが十分にできないのでは」という懸念を語ってくださり、またわたしに対して「このような病院のほうが十分に研修ができるのではないだろうか」という指針を示してくださった先生もいらっしゃいました。何度もお話をさせていただいた結論として、その病院を選択からはずしたことは残念ですが、研修病院を選択するうえで非常に役に立ちました。

 「聴覚障害があっても、うちの病院で働いてほしい」
 そう思ってくださる病院に就職できれば、こんなに嬉しいことはないですよね。
 (もちろん、働きはじめてからはまた色々と難しい問題が出るのでしょうけれども、まずそういう姿勢のあるところに就職したほうが、理解が全くないところよりは問題解決もやりやすいのではないでしょうか。まだ、わからないのですが……)。

 この項ではスケジュールのおおまかな流れを説明させていただきました。
 次項で最後、採用試験について書き、それをしめくくりにしたいと思います。

就職活動-3:前項|もくじ|次項:就職活動-5
文責:Kumiko

就職活動-3

 ここでは、マッチングプログラムに即した就職活動の実際と、その際の注意点について、わたしの経験をもとにお話ししていきます。
 まずは、マッチングプログラムに参加登録するまでの就職活動についてです。

【マッチング参加・出願の前に】
 病院に出願する前に、その病院がどういうところであるかを実際に見て、実習させていただいて知らなくてはいけません。 とくに、わたしたち聴覚障害を持つ人の場合は、先方の病院も「聴覚障害がある」ということに戸惑われる可能性が非常に高いです。
 そういうところで難色を示されることもありますので、ここには時間をさいてきちんと考えることが必要です。しかし、やみくもに考えてもうまくいきません。

(1) 地区ごとに開催される研修指定病院の合同説明会
 関東、関西、九州など、おおまかな地区ごとに、その地区の研修指定病院が集まって学生に説明をしてくれる合同説明会というものがあります。有名なのはメディカル・プリンシプル社:RESIDENT NAVI が開催する「レジナビフェア」です。
 これに行く、というのがまずひとつの方法です。ここで、ある程度病院の情報をあつめ、自分が研修してみたいと思う病院に聴覚障害があるということを相談します。合同説明会には研修担当の先生が来ていることがほとんどで、そういう方に聴覚障害があることを相談したうえで、どう思うかを聞いてみてください。
 おそらく、もし先方が聴覚障害がある学生を採りたくなくても、ストレートに来るなとは言いません。というより、たぶん言えません。
 しかし、「自分のところの病院ではPHSを使うが、それが使えないと難しい」「他に合う病院があるのではないか」などで難色を示されることはあります。研修担当の先生の話をよく聞いて、この病院では見込みなしと思った場合、こちらも無理をしてそこで頑張る必要はないと個人的には思います。
 ただし、どうしてもその病院が良いという熱意がある場合は別です。同じ病院に何度も実習をしに行くことで、自分はこれができないがこれはできる、ということを知ってもらうことで聴覚障害に対する理解を得ることは可能であると考えます。

(2) 病院見学・実習
 早い人は4年生の夏休みごろから、研修を考えている病院へ実習・見学に行きます。
 だいたい5年生の春・夏に希望する病院へ実習に行くことが多いです。
 6年生になってから実習することもできますし、6年生の夏に実習させていただいて、そのあとに出願・選考試験を受けることも可能ですが、時間に余裕を持って早めに計画を立てておいたほうがいいです。
 わたしは最後までどこの病院にするかでかなり迷ったので、6年生の春までに見学・実習した先には結局出願しませんでした。夏が近くなって、ある程度考えが固まってきてからいくつかの病院に行きましたが、時間的にあまり余裕がなくて、十分に実習ができなかったところがあると反省しています。
 病院実習でのポイントは3つあります。
A. 期間を長めに取る
 最低でも3日、できれば1週間が望ましいでしょう。
 これには2つの理由があります。
 ひとつめは、その病院がどういう考え方をしているかや、職場の人間関係・雰囲気を自分が知るためです。
 もうひとつは、自分が聴覚障害を持っていても、このように実習することは可能であり、またこれはできないがこういう方法で補っていると知ってもらうためです。
B. 聴覚障害について連絡する
 病院実習を希望する旨を連絡する際に、自分の聴覚障害について伝えておくこと。
 聴覚障害の程度や、大学病院で実習しているなら実習のときの対策、これは不可能だがこれはできる、などを前もって伝えておきましょう。
 たいていは、相手方も心の準備が必要です。
C. 病院実習で見るべきポイント
 自分が働きたいと思っても、周囲の環境によってはそれが難しいことがあります。
 ひとつのポイントは院長先生や研修担当の先生が、聴覚障害があっても前向きに対処すると考えているかどうかです。
 病院で働くうえで、聴覚障害があるためにほかの人と違うやりかたをせざるを得ないときがあること、その違いに対して(すべてではなくとも)支援するという姿勢があるかどうか、実習の中で見極めてください。
 そして、医師と、医師以外のスタッフの人数や、研修医の人数もチェックしておいてください。人手が足りないと、たとえば自分ができないことをカバーしてもらおうにも難しいことが往々にしてあります。

(3) 参考
 さきほども載せた RESIDENT NAVI などは、研修病院を探すのに役立ちます。
 以下の記事も参考になりますので、一読してみてください。
RESIDENT NAVI:病院探しのSTEP
 http://www.residentnavi.com/step/step.php
RESIDENT NAVI:病院見学で何を見届けるか
 http://www.residentnavi.com/fellow/fellow01_01_v09.php

 さて、次はいよいよマッチングプログラムや病院への出願ということになりますね。
 これについては項をあらためてお話させていただきます。

就職活動-2:前項|もくじ|次項:就職活動-4
文責:Kumiko

就職活動-2

【就職活動の前に】
(1) マッチングプログラムの導入
(2) 内科、外科、救急部問(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療の7つの部門における研修の必修化
 臨床研修制度が変わり、主に上記の2つが大きく変わりました。
 この項では、そのことが聴覚障害のある医学生にとってどのような影響をもつのかを中心に、お話をします。

(1) マッチングプログラムの導入
 「就職活動-1」でもお話しましたが、マッチングプログラムというのは、わたしたち医学生(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修病院)の研修プログラムとを、研修希望者及び研修病院の希望をふまえて、一定の規則にしたがってコンピュータにより組み合わせを決定していくプログラムのことです。
 これによって卒業後に、どの病院で研修することになるかが決まります。
 マッチングプログラム自体は、すべてパソコンとネットワーク上の手続きのみで完了できるため、電話などでの連絡が必要になることはありません。プログラム自体は通常の手続きに従って行えば、聴覚障害とは関係なく行うことができるものです。
 けれども、マッチングプログラムによって研修先が決まるようになったことで、たとえば聴覚障害があることが面接などで不利にはたらき、どの研修プログラムにも決まらない(「アンマッチ」といいます)ということが発生するおそれがあります。
 アンマッチになっても二次募集があるので、そこを狙えば良いのですが、そうなると就職活動が長引いてしんどい思いをすることになってしまいます。とくに聴覚障害があることを理解してもらい、それをふまえたうえで採ってくれる病院を探すのは、時間も労力も要ります。

(2) 7つの部門における研修の必修化
 制度の変更によって、内科、外科、救急部問(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療の7部門の研修が必須となりました。2年間の間に、この7部門は必ず研修しなくてはなりません。
 平成15年までは大学卒業とともに進みたい科を選択し、そこで研修すれば良かったのです。けれども、現在は7部門すべてで研修する必要があります。
 これはつまり、外科や救急部問、麻酔科などの、マスクをして仕事をしなければいけない部門でも研修をしなければならないということです。
 平成15年までのシステムならば、たとえば外科や麻酔科を避けて進路を選択することもできたでしょう。しかし、それはできなくなってしまいました。
 そのことをふまえたうえで、わたしたち聴覚障害のある学生は就職する際に「外科や麻酔科、救急などでは健聴の人と同じようには働けない可能性が高い」ということをしっかり伝えておく必要が生じています。

 次項では、実際にどのような就職活動をしていったか、聴覚障害があるために気をつけたい就職活動のポイントは、ということをお話したいと思います。

就職活動-1:前項|もくじ|次項:就職活動-3
文責:Kumio

就職活動-1

【はじめに】
 医学生の就職活動。
 それは、もちろん病院をターゲットにした就職活動です。
 (「病院に就職して研修医になる」以外にも、大学院に進学するなどのほかの進路もありますが、一応は研修医になることを想定してここから先を書いていきます)。

 平成14年12月11日に、医師法第16条の2 第1項が公布・施行されました。
第16条の2 診療に従事しようとする医師は、2年以上、医学を履修する課程を置く大学に附属する病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を受けなければならない。
【医師法 第3章の2:臨床研修】
http://www.houko.com/00/01/S23/201.HTM#s3-2
 これをふまえて臨床研修制度が新しくなり、平成16年度より医師臨床研修マッチングプログラムが導入されました。
■医師臨床研修マッチングプログラムとは?
日本医師臨床研修マッチングプログラムとは、医師免許を得て臨床研修を受けようとする者(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修病院)の研修プログラムと研修希望者及び研修病院の希望を踏まえて、一定の規則(安定マッチングのアルゴリズム)に従って、コンピュータにより組合せを決定いたします。
【医師臨床研修マッチング協議会】
http://www.jrmp.jp/
【厚生労働省:新たな臨床研修制度】
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/
 変化のポイントは、
(1) マッチングプログラムの導入
(2) 内科、外科、救急部問(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療の7つの部門における研修の必修化
 上記の2つになります。
 詳しいことは厚生労働省のページを参照していただくことにして、聴覚障害を持っている場合にそのことがどう関係してくるのか、またどう対応していけば良いのかをこれからお話したいと思います。

臨床病院実習-5:前項|もくじ|次項:就職活動-2
文責:Kumiko

卒業試験

 たいていの大学では卒論(卒業論文)もしくは卒業制作を課し、それによって卒業の可否を決めています。
 けれども、医学部医学科には卒論がありません(看護科にはあります)。
 かわりに卒業試験を受け、その合否によって卒業判定を行います。
 この卒業試験は、大学によってさまざまな形式をとっています。
 滋賀医大の場合は、21科目の試験を2か月かけて受験するというもの。
 他には総合的な試験を行って、それによって判定をするというところもあります。

 さて、医学生のみなさんは卒業試験に至るまでもう何度も試験を繰り返してきていることと思います。聴覚障害とあまり関係がなさそうですし、いまさら書く必要はないかもしれませんが、これまでに試験について書いてこなかったのでまとめとして書き残しておきます。

【試験は情報戦!?】
 もちろん、日ごろから真面目に勉強しているのが一番なのですが、それだけではやっていけないのもまた実情。当然ですが先生の知識と学生の知識が解離しているので、ときには「こんなマニアックな問題、教科書を見てもわからない!無理!」なんてこともあります。
 そういう「教科書を見てもわからない問題」に時間を多く割いてしまうのは、あまりいい時間の使い方とはいえません。
 だから、ところどころでは「情報」に頼ることになります。

 たとえば、あの問題はここが出所だとか、マニアックな問題の解答。
 先生によってどういう傾向の問題を出してくるか、この科ではどんな出題がされるかという「くせ」みたいなもの。
 あの科は簡単で、あの科は難しい、などの難易度に関する情報。
 問題作成者の先生が変更になった、前年度までの教授が退官されてトップが変わった、などで前年の問題が変わるだろうという情報。

 そういう情報をひろってくるのも、試験のなかではまあまあ役に立つでしょう。
 中には「ほんとかよー」というようなかなりアヤシイ情報も混じっているし、試験が煮詰まってくると学生のほうも疲れてきて、あちこちで怪情報が出回ったりもするのですが。
 聴覚障害があることで、ここの情報をキャッチできなかったりして試験に落ちる、というのはとってももったいないです。
 ささいなことですし、基本は自分の勉強が第一なのですが、実際問題、みんなが知っていたことを何も知らずに受けて試験に落ちてしまうということもあります。

【時には友人と一緒に勉強しよう】
 そこで、持つべきものは友、です。
 ずっと一緒にやる必要はありません。
 でも、ときどき一緒に勉強する。そうすることで情報のやりとりをすることができるだけではなく、自分の思い込みや勘違いを指摘しあえるし、どう考えてもわからない問題も誰かが知っていたりするので、一人で悩むよりずっと効率よく勉強できます。
 とくにわたしたち聴覚障害者は、「情報が自然に耳に入ってくる」というわけにはいかないので、こまめに友人とコンタクトをとって、情報の不足を補うといいかもしれません。

【試験前の注意事項について】
 試験前に注意がある場合、その聞き取りに自信がなければ文書で用意してもらう、板書してもらうなどしたほうが良いかもしれません。
 広い教室で席が遠いと、聞き取りづらいことが多いです。
 わたしは人工内耳にしてから割と聞き取れるようになりましたが、試験中問題の正誤があると急に言われたときなどはとっさに聞き取れずに困ったことがあります(板書がなければ、挙手して教えていただきました)。

 さて、卒業試験が終わると、いよいよ国家試験まで残りわずか。
 「国家試験はファミリーカーでロードレースをするようなもの」
 「最後まで走る精神力と体力が必要」
 と、うちの大学の某先生などはおっしゃいました。
 ここまできたら、聴覚障害の有無など関係なしに、もうがんばるしかないですね。

医師国家試験にかかる申請-2:前項|もくじ|次項:医師国家試験-1
文責:Kumiko

医師国家試験にかかる申請-2

 ここでは医師国家試験にかかる特別な配慮の申請について、わたしの場合(滋賀医大・竹澤:第102回医師国家試験)はどうだったのかを、具体的にお話していきます。

【申請期限】
 だいたい9月末ごろまでです。
 これは毎年変わるので、その年の「医師国家試験の施行」をチェックしてください。

【申請の前に】
 書類を送る前に、厚生労働省医政局医事課試験免許室または地方厚生局まで、どのような書類が必要かを問い合わせてください。
 わたしの場合は学生課を通して必要な書類を、近畿厚生局に問い合わせていただけました。それに対して次の項目のものを用意するようにとの返答がありました(次項目)。

【申請に必要な書類】
 (1) 国家試験の受験に伴う配慮事項申請書
 (2) 医師の診断書:聴覚障害に関する項目が記載されているもの
 (3) (ある場合は)障害者手帳の写し
 (4) 人工内耳の外観写真
 (1) 国家試験の受験に伴う配慮事項申請書
国家試験の受験に伴う配慮事項申請書
 以上のような形式で、必要な配慮事項を申請します。
 補聴器を使っている人・人工内耳を使っている人は申請の必要があります。

(2) 医師の診断書:聴覚障害に関する項目が記載されているもの
 通常の診断書の形式に加えて、左右の聴力、人工内耳手術をした人はその旨も記載。

(3) 障害者手帳の写し
 (ある場合は)障害者手帳のコピーを添えてください、とのことでした。

(4) 人工内耳の外観写真
 補聴器でも請求されることがあるかもしれません。
 装用時の写真と、人工内耳だけの写真を撮って送りました。
人工内耳:ESprit 3G
人工内耳:Esprit 3G
人工内耳:装用時
人工内耳:装用時の写真

 (1)~(4)の書類などをそろえて学生課に提出し、学生課を通して近畿厚生局に送っていただきました。学生課を通さない場合、直接自分で送る必要があります。

【配慮に関して】
 書類を送って申請した結果、「人工内耳の持参装用」と「注意事項の文字による伝達」が認められました。そのほかに、1人の監督者が試験中についてくださることになりました。

 国家試験受験の出願(11月中旬より12月初旬まで)は、他の学生と同じになります。
 各大学ごとに説明があると思いますので、それに従ってください。

医師国家試験にかかる申請-1:前項|もくじ|次項:卒業試験
文責:Kumiko

医師国家試験にかかる申請-1

 臨床病院実習を終えると、卒業試験、国家試験といよいよ最後の「医師」という目標に近づいてまいります。さて、臨床病院実習を終えた時点で必ず確認しておかなければならないのが、厚生労働省から告知されている「医師国家試験の施行」についての案内です。

【厚生労働省:医師国家試験の施行】
 http://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/1.html

 上記のぺージでわたしたち聴覚障害を持つ医学生が注目しなければならないのは、
8. その他 視覚、聴覚、音声機能若しくは言語機能に障害を有する者で受験を希望する者は、平成19年9月28日(金曜日)までに厚生労働省医政局医事課試験免許室又は試験地を管轄する地方厚生局若しくは地方厚生支局に「国家試験の受験に伴う配慮事項申請書」(PDF:142KB)を用いて申し出ること。申し出た者については、受験の際にその障害の状態に応じて必要な配慮を講ずることがある。
9. 8に関する問い合わせ先 東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 厚生労働省医政局医事課試験免許室 郵便番号100-8916 電話番号03(5253)1111 FAX番号03(3503)3559 E-mail:kokkashiken@mhlw.go.jp
 上記の箇所です。
 ここに書かれているように、配慮にともなう申請先は2通りあって、
 (1) 厚生労働省医政局医事課試験免許室
 (2) 試験地を管轄する地方厚生局若しくは地方厚生支局
 このどちらかに申請をしてください。
 (2)の「試験地を管轄する地方厚生局若しくは地方厚生支局」は、試験を受ける土地の管轄にある地方厚生局または地方厚生支局です。
 これに関しては上記ページの7に記載があります。大学によって試験地が決まっているので、それについては先輩や大学の学生課なので確認してください。
 たとえば、滋賀医大は大阪で受験するので、わたしは大阪の近畿厚生局に申請をすれば良いことになります。これに関しては大学の学生課などに相談をしてみてください。

 わたしの場合は、大学の学生課を通して申請をしました。

 さて、申請書類のお話をする前に、ひとつ気をつけてほしいことがあります。
 それは難聴の程度が軽くても、「補聴器や人工内耳といった装具を使っている場合は、必ず申請してください」ということです。
 見慣れない人には補聴器や人工内耳がどんなものかよくわからないこともありますので、いらぬ誤解を招かないためにも申請をしておいたほうが安全です。

 次の項では申請書類についてお話をします。

就職活動-5:前項|もくじ|次項:医師国家試験にかかる申請-2
文責:Kumiko
こんにちは
ADHIMS
Author:ADHIMS
現在、メンバーは5人です!

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