スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

大事なこと-2

 まずは確認の意味で、欠格条項とその改正についてお話します。

 欠格条項という言葉を、聞いたことはあるでしょうか?
 欠格条項とは、ある条件(条項)に該当した場合、その資格が取れない・資格試験を受験できない、ということを定めた法律をいいます。
 平成13年になるまで、医師法には聴覚障害についての欠格条項がありました。つまり、聴覚障害があるということだけで、医師への道は断たれたも同然だったわけです。
 (現実には、過去にも聴覚障害を持ちながら医学部に入学し、医師となった先生がたが何人かおられます。また、医師免許取得後に失聴された先生は、もっと多いでしょう。しかし、欠格条項があるために聴覚障害を公にする先生はほとんどいらっしゃいませんでした)。
【平成13年以前の医師法(抜粋)】
第3条(絶対的欠格事由)
未成年者、禁治産者、目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、免許を与えない。
第13条(絶対的欠格事由)
準治産者、目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がきけない者は、医師国家試験及び医師国家試験予備試験を受けることができない。
 ところが、平成13年に法律がかわって、聴覚障害があっても条件しだいでは医師になれる、ということになりました。
【医師法(現行のものより抜粋)】
平成13年改正:絶対的欠格事由から相対的欠格事由に
第3条 未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。
第4条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
1. 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
(2~4は略)
第13条 削除
 これで医師免許を取得することについて、法律上では「与えないことがある」とされたのみで、完全に医師への道が閉ざされるようなことはなくなりました。
 また、医師国家試験受験もきちんと受験できるようになっています。

 このように法律の上では、聴覚障害者が医師になることに関して「なってはいけない」から、「免許を与えないことがあるが、なっても良い」という方向に変わりました。
 わたしたちが医師になろうと思い、医学部に入って医師国家試験のために勉強する。それは、聴覚障害を持っていても「頑張れば、なんとかなる」ということに一応はなったわけです。
 それを、まず前提としておきましょう。

 けれども、問題は自分ひとりががんばってどうにかなる、という種類のことではありません。
 障害の有無を問わず、大学の実習をひとりで行うわけではないし、医師としての仕事が自分だけできるわけでもないのですから。
 大学在籍中は、指導教官や同級生や先輩・後輩の存在があります。
 医師になれば範囲はさらに広くなり、患者さんはもとより、同僚や上司の医師、看護師などその他の医療職とも連携をとっていかなければなりません。

 「聴覚障害を持っていること」が、
 医師として働く際にどういう問題を引き起こし、
 自分や周囲にどう影響するのか。

 法律上は認められたけれども。
 はたして、聴覚障害を持ちながら医師として働いてもよいのか、どう働けばよいのか?
 そのことについて、これから考えていきましょう。

大事なこと-1:前項|もくじ|次項:大事なこと-3
文責:Kumiko
スポンサーサイト

大事なこと-1

 「大事なこと」と題して、10年目の内科医先生からコメントが寄せられました。
 考えさせられる内容でしたので、
 まずはコメントを引用させていただくことで問題提起とします。
 (改行はこちらで加えさせていただきました)。
10年目の内科医先生からのコメント:
> はじめまして。
> 私は卒後10年目の内科医です。
> 偶然このHPにたどりつきました。
> 正直複雑な思いで見させていただきました。
> なぜなら、今研修医の中に
> 聴覚障害ではありませんが身体障害者のかたが一人おられ、
> やはり担当患者様とそのご家族からクレームがだされている
> ということで、聴く立場である私たち指導医も頭を悩ませているからです。

> このHPは激励やがんばります!
> という流れですが、現実は甘くはありません。
> 医師を志す当事者はよくても、患者様はどんな気持ちか、考えていただきたい。
> 特に今回の臨床研修医制度になってから、ストレートではなく、ローテートになり、
> 否応なしにターミナルの患者様を担当することもあるわけです。
> 患者様やご家族は自分たちのことで精一杯なのに、
> 先生に気を使わねばならないなんて…というかたもいらっしゃるわけです。

> 自分たちの職業選択の権利を主張するのは当然のことかもしれませんが、
> 医療の世界は普通の職業とは異なります。
> きれいごとではすみません。
> あなた方が、がんばる、励まされた、で喜ばれるのも大事なことかもしれません。

> でも。もっと大事なことがこの世界にはあります。
> それは、患者様との信頼関係であり、
> 安心し信頼し納得される医療を提供することです。
> このHPでそのことを考えていただくことを私は望みたいです。
> コミュニケーションが困難なDr.を主治医に持つ患者様、
> ご家族の気持ちを考えてください。
> その上で病院実習や臨床研修に望んでください。

> そして、できることとできないことを身をもって、
> 目をそらさず見極めてください。
> 年数がたてば、一人で診察、当直、後輩の指導をせねばなりません。
> 身体障害者であっても医師になる権利があり、
> 国試にも合格しているから、研修医として頑張ってもらいたという気持ちと、
> 患者様に他の研修医が担当するよりストレスをかけているのではないか?
> という気持ちが私たち指導医の中でも葛藤していることがある
> ということを理解していただけたらと思います。
 これは、とても大切なことを仰ってくださっている、と思います。
 「医師」であるということ。
 ここで問われているのは、「(聴覚)障害があろうがなかろうが、医師として働かなければならない」ということでなないでしょうか。

 これまでは聴覚障害を持つ側にむけて、不安なことであるとか、こうすればうまくいくのでは、のようなフォローを目的とした内容を書いてきました。
 今度は、もっと根源的なこと、つまり「聴覚障害を持ちながら、医師として働く」ということに焦点を当てていきます。
 といっても、わたしもまだ学生ですから、試行錯誤しながら、みなさんと一緒に考えたいと思っています。

もくじ|次項:大事なこと-2
文責:Kumiko
こんにちは
ADHIMS
Author:ADHIMS
現在、メンバーは5人です!

ご意見・ご感想はこちら
掲示板にいく
メールを送る
それぞれの記事の
「コメント」からもどうぞ!
カテゴリー
最近の記事
過去の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
ブログ内検索
リンク
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。