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もくじ

1. 医学部医学科について
2. 受験する前のこと
3. 受験当日(閑話休題)
4. 入学前に
5. 基礎教養課程
6. 専門教育課程
 専門教育課程-1:概要と問題点
 専門教育課程-2:問題への対策
 専門教育課程-3:実習(解剖など)
 専門教育課程-4:少人数能動学習(チュートリアル教育)
7. 臨床前実習
 臨床前実習-1:概要
 臨床前実習-2:医療面接(問診)
 臨床前実習-3:聴診
 臨床前実習-4:打診・視診・触診
 臨床前実習-5:外科的手技・心肺蘇生法
8. CBT・OSCE
9. 臨床病院実習
 臨床病院実習-1:はじめる前に
 臨床病院実習-2:コミュニケーション
 臨床病院実習-3:シーンごとの問題
 臨床病院実習-4:おわりに
 臨床病院実習-5:余談(診療所実習でのできごと)
10. 就職活動
 就職活動-1:はじめに
 就職活動-2:就職活動の前に
 就職活動-3:マッチング参加・出願の前に
 就職活動-4:6年生以降の動向
 就職活動-5:採用試験
11. 医師国家試験にかかる申請
 医師国家試験にかかる申請-1:厚生労働省の告知
 医師国家試験にかかる申請-2:具体例
12. 卒業試験
13. 医師国家試験
 医師国家試験-1:受験前について
 医師国家試験-2:受験当日
14. 医師免許の申請

(補足事項)
1. 大学側の試み
2. 聴診器について
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聴診器について

 聴診については、「臨床前実習-3」の項目で説明しました。
 聴診器そのものについては、詳しい説明をしなかったので、ここでまとめてご紹介したいと思います。

Littmann:Electronic Stethoscope 4100
 私(竹澤)が使用しているものです。このモデルは電子聴診器で、音量を調節できます。
 左耳の聴力が右より良いので、音量を最大にして左耳で聴診することができます。
 こちらは、お年を召されて聴診がしづらくなった先生でも、よく聞こえるということでした。

Cardionics:E-Scope Electronic Stethoscope
Cardionics:E-Scope 大石が使用しているものです。
 こちらはPDAに接続して、PDAの画面に心音図を表示させることができます。
 また、左のように、PDA接続端子と人工内耳の外部接続端子をケーブルでつなぎ、人工内耳で聴診をすることも可能です。
 (画像はAMPHLのサイトから参照しています)

もくじ
文責:Kumiko

医師免許の申請

 医師国家試験に合格していれば、3月末ごろまでに「医師国家試験成績等通知書」と「合格証書」が一体になった葉書が手元に届きます。
 一般的には、それを待たずにインターネットや厚生局の合格発表で結果を確認し、すぐに医師免許を申請する人が多いです。
 この項では、医師国家試験合格後の医師免許の申請について説明していきます。

 まず、必要な書類には以下のものがあります。
(1) 医師免許申請書:収入印紙6万円分を貼付
(2) 診断書:(1)と揃いでついてくる規定の診断書
(3) 戸籍抄本
(4) 成年後見登記されていないことの証明書
(5) 登録済証明書の葉書
 このうち、(1) (3) (4) (5) については、他の人と同じで構いません。
医師免許申請用診断書
 (2) の診断書(左:クリックで拡大します)が、いわゆる「欠格条項」にひっかかるかどうかを見るためのもので、「1. 視覚機能」「2. 聴覚機能」「3. 音声・言語機能」「4. 精神機能」「5. 麻薬、大麻又はあへんの中毒」という項目があります。

【参考:医師法(抜粋)】
第4条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
 1. 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
 2. 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
 3. 罰金以上の刑に処せられた者
 4. 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者
 私自身は、勤務先や大学と相談した結果、画像のように書いていただいた上、問い合わせがあれば書いてくださった先生がまず対応してくださることになりました。
 この診断書を含め、すべての書類をそろえて住民票所在地の保健所に提出します。医師として勤務するには、当然ですが医師免許が必要なので、できる限り早く申請するようにしてください。

 申請後、半月程で「(5) 登録済証明書の葉書」が手元に届きます。
 医師免許自体は申請から3~4か月程度で、申請した保健所に届きますので、これを保健所まで取りに行く必要があります。「登録済証明書」は、医籍(医師として登録されている人のリスト)に登録されたということの証明書で、医師免許が届くまでのいわば仮免許になります。
 私の場合は「聴覚障害」の項目に該当するので、免許が下りるかどうか心配していましたが、意外とすんなり「登録済証明書」が届きました。
登録済証明書
 今後は聴覚障害を持つ方が医師免許を申請した場合に、「聴覚機能」の項目で「該当する」にチェックが入っていても、免許の交付が遅れたり、免許が下りなかったりすることはおそらくないでしょう。
 「どう仕事をするか」ということは永遠の課題ですが、最初の「医師免許申請」に壁はなかったことをまずはご報告します。

医師国家試験-2:前項|もくじ
文責:Kumiko

医師国家試験-2

 医師国家試験は3日間で500問を解く長丁場です。
 試験はマークシートで、
必修の基本的事項:一般問題(1点×50問)+臨床実地問題 (3点×50問)
一般問題:医学総論(1点×120問)+医学各論(1点×80問)
臨床実地問題:医学総論(3点×50問)+医学各論(3点×120問)+長文(3点×30問)
 構成は上記のようになっており、得点は「一般問題」が1問1点、「臨床実地問題」が1問3点で計算され、「必修の基本的事項(必修問題)」が200点満点、「一般問題」が200点満点、「臨床実地問題」が600点満点です。
 必修問題は絶対評価で80%を取る必要があり、総論・各論は相対評価で例年65%~70%くらいの得点率までの人が合格します。
 また、必修問題には「禁忌(選択枝)」というものがあり、その選択枝を選んだ人は「禁忌を踏んだ」と俗に言います。禁忌である選択枝がどれかはわかりませんが、「その選択をすると非常に危険な状態になる」というものが禁忌となります(例:閉塞隅角緑内障にアトロピン)。
 この「禁忌」は2つまでなら間違えて選んでしまっても良いのですが、これを3つ以上間違うと、たとえ全体として80%以上得点していても、不合格になる可能性があります。
 (禁忌選択枝を選択しても良い限度の数は、今後変わる可能性もあります)。

 ざっと概要を説明するとこのような感じでしょうか。
 細かいことはおそらく今後もどんどん変わっていく可能性があるので、今年がどうだったか、というのはここでは書きません。

【実際の試験について】
 1日目の最初の試験の前に、監督員に人工内耳を使用すると伝えました。
 「医師国家試験-1」で書いた通り、試験に当たっての注意事項はすべて文書で伝達されます。また、「1時間を経過しました」「あと30分です」「あと15分です」などの残り時間も文書で教えていただきました。
 監督員がずっとそばについているわけではなく、説明のときと時間の伝達のときに紙を持ってきてくださいます。ですから、注意事項に関しては聞き漏らしたり、間違ったりするという心配はしないで済みました。
 それと、補聴器・人工内耳を使用している場合、申請しておいたほうが良い、という理由にもうひとつ付け加えます。
 試験前の注意事項で、「携帯電話などの電子機器はすべて電源を切り、鞄の中にしまってください」と伝えられます。
 補聴器や人工内耳も電子機器ですから、必ず申請しておきましょう。
 さきほども書いたとおり、試験はマークシートです。
 今のところ実技はありませんし、リスニングをしなければいけないということもありません。
 ですから、試験が始まってしまえば条件は他のみんなと同じです。

【国家試験を終えて】
 これを書いているのは国家試験終了の翌日なのですが、もう、1週間くらい前の出来事のような気がします。というより、昨日の時点で、すでにそんな感じになっていました。
 終わったあとは友達と打ち上げに行ったのですが、その時点でみんな口々に「昨日のいまごろは勉強していたんだよね」「もうだいぶ前のことのような…」などと話していました。
 たかが3日間、されど3日間。
 開始前は、たった3日間だし、模試だって3日間で同じような内容のものを解いて慣れているはずだし、と思っていましたが、本番はやっぱり違います。1日目はまだよくても、2日目、3日目と日を重ねるごとに、精神力や集中力や、いろんなものが削られていくようでした。
 よく、先生がたが「国試だけはもう二度と受けたくない」とおっしゃる意味を身にしみて感じた……そんな3日間でした。
 そこに聴覚障害があるかないかなんて関係なく、本当に、精神力と体力勝負です。
 知力はとてもよくできる人と、極端にできない人を除き、普通に勉強していればみんな似たり寄ったりのところをさまよっているので、この場合もう精神力と体力です。
 受かる、受からないは別として、3日間を無事に受けてこられた、そのことが今は一番うれしいかもしれません。とりあえず、ひとつの通過点を過ぎました。今後の問題は山積していますが、良い報告ができるといいなと思います。

 いままで書いてきたことが、これから医師になろうとしている人に、何かしらの助けになっていれば良いなと思います。読んでくださってありがとうございました。

医師国家試験-1:前項|もくじ|次項:医師免許の申請
文責:Kumiko

医師国家試験-1

 第102回医師国家試験(平成20年2月16・17・18日)が終了いたしました。
 そのことについて、ここでまとめたいと思います。まずは受験前のことから。

【医師国家試験にかかる申請:特例措置の許可】
 「医師国家試験にかかる申請-2」で申請した事項について、2月6日に郵送で特例措置の許可を頂きました。A4用紙2枚に、以下のような通知でした。
特例措置の許可
特例措置の許可:別紙

 「人工内耳」で申請しましたが「補聴器」となっているため、大学の学生課を通して確認していただいたところ、大丈夫とのこと。上記の用紙を持参し、試験監督に見せるようにということでした。

【直前講座(ラストV講座)】
 国家試験前日の2月15日に、医師国家試験の予備校(TECOM)による直前講座(ラストV講座)があります。受験地である北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県の各地で開催され、東京は講師による直接の講習、東京以外の各地ではネット中継になります。
 ネット中継ということで、聴覚障害があると少し厳しいなと申し込みを躊躇しましたが、結局申し込み、それは結果的に良かったと思います。その時に友人の協力でTECOMに事前に問い合わせ、人工内耳の外部接続端子に直接イヤホン端子からコードをつないで聞けるようにしていただきました。
 補聴器のほうには外部接続端子がないので使えませんが、自分が聞きやすい設備などがあれば対応していただけると思います。
 これは必須ではなく自由参加ですし、参加しなくてもいいものです。
 この直前講座を受けなければ落ちるとか、そんなこともありません。
 ただ、学年のほとんど全員が出席することが多いので、直前にみんなと一緒にいることの安心感は得られました。
 また、講座を受ける部屋は受験地の近辺にあるホテルの部屋を大学ごとに割り振ってくださるので、同じ部屋には同じ大学の人しかいません。友達に頼んでノートを見せてもらうことも、もちろんできると思います。
 実際に聞いてみた感じでは、テキストが充実しているためそれほど苦労はしませんでした。また、講師の先生がテキストにないことを喋っているときは、講師の先生の顔がスクリーンに映るので、唇を読むこともできました。

【直前講座のあと】
 滋賀医大の場合、滋賀から大阪まで微妙に遠いため、学年の「ホテル班」の人たちがホテルを予約してくれます。学年のほぼ全員が申し込むので、ほぼ全員同じホテルに宿泊しています。
 ですから、前日講座を受けたあとはホテルにチェックインし、友人と夕ごはんを食べて最後の見直し。喋っていると知識の整理にもなるし、緊張感もやわらいできます。

 次は、いよいよ受験当日。次項にうつります。

卒業試験:前項|もくじ|次項:医師国家試験-2
文責:Kumiko

就職活動-5

 最後に、採用試験のことについてお話したいと思います。

【採用試験】
 多くの病院では7月末から8月末にかけて、採用試験を行います。
 採用試験の内容は病院によって違いますが、おおむね面接・筆記試験・小論文の3種類です。面接のみのところや、筆記試験だけのところもあります(自大学の附属病院などは面接なし・筆記のみのところもあります)。
 これは本当にバリエーションに富んでいるので、病院見学・実習のときに研修医の先生と一緒にいるチャンスがあれば、必ず採用試験の内容について聞いてみてください。
 マッチング対策の詳細についてはここでわたしが書いていることよりも、『ハローマッチング '07 (毎年新版が出ます)』や『医学生のためのマッチングガイド』などを読んだほうが、はるかにわかりやすいし、ためになります。
 以下では主に聴覚障害と関係のありそうなところのお話にとどめておきます。

(1) 筆記試験・小論文
 筆記試験や小論文のあるところでは、もし不安ならば事前に注意事項を書面で伝達していただくようにお願いしておいたほうが良いかもしれません。
 あるいは途中で何かあれば、筆談で伝えていただくようにお願いしておくと安心です。

(2) 面接
 面接にもいろいろな種類があり、中には少々意地の悪いタイプの面接もあるのですが、それは上記の本を読んだり、自分で調べていただいて準備していってください。
 そのうえで、事前の準備に付け加えるとすれば下の3点です。
「面接の形式を確認しておく」
 わたしが採用試験を受けた病院のうち、1箇所は複数人での面接形式でした。
 この病院の場合は事前に面接形式を知らせず、わたし以外の人たちも「複数人である」ということを知らずに驚いていたので、事前の準備ができないまま試験を受けることになりました。
 複数人とはいってもディスカッションではなく「順番に答えていく」というだけの形だったので、何度か聞き返させていただいた以外は普通に面接を終えることができたのですが、事前に病院の面接形式をしっかり調べておく必要があると感じました。
 複数人がディスカッションするような面接形式であれば、変更していただくようににお願いするか、手話通訳など必要な配慮を申し出る必要があるかもしれません。

「自分の聴覚障害について、説明できるように整理しておく」
 難聴の程度をデシベル数で表しても、専門外の先生にはいまいちピンとこないことが大半です。また、補聴器や人工内耳をつけてどの程度聞こえているのかも人によって違います。
 この作業がいちばん難しいかもしれません。
 なぜなら「どの程度聞こえているか」は非常に主観的な問題であり、また聴覚障害を持つ人個人にとっては比較対象がないために、自分の聞こえがどの程度かを言葉にすることが難しいです。けれども、これは必要なことであると思います。
 ヒントとして。
 音としては聞こえるが言葉としては唇を見なければ認識しにくいこと、そのため院内PHSでは聞き取りが落ちる可能性が高いこと。
 補聴器あるいは人工内耳をつけた状態で、ナースステーションのアラームが聞こえるかどうか、また聞こえても何の音か判別できるかどうか。
 以上の2点が客観的な指標としても使えるので、説明しやすいと思います。

「自分の聴診器などは必ず持っていく」
 わたしは結局、事前によく話し合いをさせていただいたことと、試験官に話し合いをさせていただいた先生がいらっしゃったおかげで、面接で聴診器やFMシステムを見せることはありませんでした。
 しかし、「聴覚障害を補うために使っているものがあるかどうか」という質問を想定して、聴診器とFMシステムは面接のとき必ず持って行きました。
 また、前回「就職活動-4」の「お話をするときに気をつけたこと」とかぶりますが、面接のときに気をつけたいポイントには次のようなものがあります。
「質問が聞き取れなければ、あいまいにせず聞き返す」
 なによりもまず、これが大事です。
 聞き返しかたにも工夫が必要で、「えっ?」では少し印象が悪いですね。
 だから、聞き取れたところまでは確認の意味でも反復し、それ以外の文が聞き取れなかったのでもう一度お願いします、と言うように心がけました。まったくわからなければ「もう一度お願いします」と、何度でも確認を取ってください。

「あいまいなところは反復する」
 聞き取れたけれども内容が正確かどうか不安なときは内容を反復し、そのうえで「これで良いですか?」と確認をしてから質問に答えました。
 たとえば「~についてどう思いますか?」という質問に対して、「~についてどう思うか、ということですね」というふうに。
 さらに、聴覚障害に関しての質問がされることがあります。
 わたしが聞かれたものは、次の通りです。
「聴覚障害を補うために、必要なことはありますか」
 これに対して、自分は「先生がたをはじめ、スタッフの皆さまの協力が一番必要である」という旨を答えています。これは人によってさまざまでしょうし、聴覚障害の程度によって異なりますから、自分でよく考えていってください。
 この質問を見てもわかるように、自分の聴覚障害については聞かれることを想定して、ある程度きちんと言葉に整理する必要があります。
 さいわい自分は聞かれませんでしたが、「聴覚障害があっても医師として働いてよいのか」ということについても、自分なりの答えを出しておいたほうが良いでしょう。

 ここまで書いてきましたが、最後に。
「落ち着いて、受けてください」

 振り返ってみると準備が遅かったことや、足りなかったことがあると痛感するばかりです。
 紆余曲折ありましたが、なんとか研修先の病院は内定いたしました。
 ひとえに、研修先の病院をどうしようかということで悩んでいたときに相談に乗ってくださった大学の先生がたや、研修担当の先生がたのおかげでここまで来られたのだと思います。
 悩んだとき、迷ったときは、こちらの掲示板や、聴覚障害担当の先生に相談してみてください。いろいろな方のお話をきちんと聞き、そのうえで自分の道を選択していくことができれば、と思います。

就職活動-4:前項|もくじ|次項:医師国家試験にかかる申請-1
文責:Kumiko

就職活動-4

 さて、6年生の6月ごろから、いよいよ就職活動が本格的になってきます。

【6年生以降の動向】
 6年生の6月から、就職に関するスケジュールが順々に進行していきます。
 おおまかな流れとしては、マッチングプログラムに登録し、希望する病院の採用試験を何か所か受けて、希望の順番に順位を登録、そして最後に結果発表、ということになります。
 採用試験はいくつ受けても構いません。ひとつしか受けないという人もいますし、10か所以上の採用試験を受けたというツワモノもいます。
青字:マッチングプログラムのスケジュール
黒字:それ以外のスケジュール
(注:カッコ内は平成19年度の日付です。毎年変更があります)
■6月
 6月上旬 (6月27日(木)):マッチングプログラム参加登録開始
 病院の願書受付開始:早いところは6月から。
■7月
 病院の願書受付開始:多くの病院が7月上旬に受付開始。
 7月下旬 (7月26日(木)):マッチング参加登録締切
 採用試験:7月末ごろから採用試験が各地の病院で始まります。
■8月
 採用試験:8月の週末(金曜日~日曜日)に採用試験をする病院が多いです。
 8月末 (8月30日(木)):マッチング希望順位登録受付開始。ここで、採用試験を受けた病院を、希望する順に順位を登録します。
■9月
 9月中旬 (9月13日(木)):希望順位登録中間公表前締切
 中間公表前締切の翌日 (9月14日(金)):中間公表、ここで順位をつけた病院にどのくらいの人が1位登録しているかを確認できます。不安に思ったら、この時期から10月上旬まで順位の変更ができます。
■10月
 10月上旬 (10月4日(木)):希望順位登録最終締切
 10月中旬 (10月18日(木)):組み合わせ結果発表となり、研修先病院が決定します。どの病院にも決まらない(アンマッチになる)こともあります。
■それ以降
 病院の二次採用試験:マッチングプログラムで研修先が決まらなかった人(アンマッチだった人)は、ここで採用試験を受け、各々で研修先を決定していきます。
 まず、マッチングプログラムのスケジュールは以上のようになっています。
 今後変更される可能性もあるので、6年生になってから大学の説明を受けてください。

■実際の状況:6月~8月
 6月から8月にかけては、平行して病院実習も同時にやっている人が多いです。
 わたしも6~8月にかけて、あちこちの病院を見学・実習させていただきました。ただ、滋賀医大はこの時期に時間をとるのが難しく、3日以上かけて十分な実習ができなかったところがほとんどです。ですから、大学のカリキュラムをふまえて時間を取れるように、5年生の春休みごろには計画を立てておくのが重要かな、と終わってみてから思います。
 また、6月から8月にかけての時期に、病院によっては院長先生や、研修担当の先生と何度か面談を繰り返して、お話をさせていただく機会がありました。
 ここでお話をする際に気をつけたことは
・お話で聞き取れないことがあれば、必ず聞き返して内容を確認する。
・まず相手のお話をよく聞く。そのうえで誤解があれば訂正する。
・自分の意見を主張しすぎない。あくまでも謙虚に、自分の状況を説明する。
・ただし、聴覚障害があることで、ほかの人より時間がかかる可能性のあることや、難しいことがあるということはきちんと伝える。
・それに対して相手がどう思っているかを確認する。
・ほかの人と違う器具(わたしの場合、聴診器とFMシステム)は必ず持っていき、それを見せることで難しいこともこうすれば可能である(ただし十分ではない)と伝える。
 以上のようなことでした。
 このようにきちんとお話をしておいたことは、とても良かったのではないかと、あとから振り返ってみて思います。「うちでは受け入れが十分にできないのでは」という懸念を語ってくださり、またわたしに対して「このような病院のほうが十分に研修ができるのではないだろうか」という指針を示してくださった先生もいらっしゃいました。何度もお話をさせていただいた結論として、その病院を選択からはずしたことは残念ですが、研修病院を選択するうえで非常に役に立ちました。

 「聴覚障害があっても、うちの病院で働いてほしい」
 そう思ってくださる病院に就職できれば、こんなに嬉しいことはないですよね。
 (もちろん、働きはじめてからはまた色々と難しい問題が出るのでしょうけれども、まずそういう姿勢のあるところに就職したほうが、理解が全くないところよりは問題解決もやりやすいのではないでしょうか。まだ、わからないのですが……)。

 この項ではスケジュールのおおまかな流れを説明させていただきました。
 次項で最後、採用試験について書き、それをしめくくりにしたいと思います。

就職活動-3:前項|もくじ|次項:就職活動-5
文責:Kumiko

就職活動-3

 ここでは、マッチングプログラムに即した就職活動の実際と、その際の注意点について、わたしの経験をもとにお話ししていきます。
 まずは、マッチングプログラムに参加登録するまでの就職活動についてです。

【マッチング参加・出願の前に】
 病院に出願する前に、その病院がどういうところであるかを実際に見て、実習させていただいて知らなくてはいけません。 とくに、わたしたち聴覚障害を持つ人の場合は、先方の病院も「聴覚障害がある」ということに戸惑われる可能性が非常に高いです。
 そういうところで難色を示されることもありますので、ここには時間をさいてきちんと考えることが必要です。しかし、やみくもに考えてもうまくいきません。

(1) 地区ごとに開催される研修指定病院の合同説明会
 関東、関西、九州など、おおまかな地区ごとに、その地区の研修指定病院が集まって学生に説明をしてくれる合同説明会というものがあります。有名なのはメディカル・プリンシプル社:RESIDENT NAVI が開催する「レジナビフェア」です。
 これに行く、というのがまずひとつの方法です。ここで、ある程度病院の情報をあつめ、自分が研修してみたいと思う病院に聴覚障害があるということを相談します。合同説明会には研修担当の先生が来ていることがほとんどで、そういう方に聴覚障害があることを相談したうえで、どう思うかを聞いてみてください。
 おそらく、もし先方が聴覚障害がある学生を採りたくなくても、ストレートに来るなとは言いません。というより、たぶん言えません。
 しかし、「自分のところの病院ではPHSを使うが、それが使えないと難しい」「他に合う病院があるのではないか」などで難色を示されることはあります。研修担当の先生の話をよく聞いて、この病院では見込みなしと思った場合、こちらも無理をしてそこで頑張る必要はないと個人的には思います。
 ただし、どうしてもその病院が良いという熱意がある場合は別です。同じ病院に何度も実習をしに行くことで、自分はこれができないがこれはできる、ということを知ってもらうことで聴覚障害に対する理解を得ることは可能であると考えます。

(2) 病院見学・実習
 早い人は4年生の夏休みごろから、研修を考えている病院へ実習・見学に行きます。
 だいたい5年生の春・夏に希望する病院へ実習に行くことが多いです。
 6年生になってから実習することもできますし、6年生の夏に実習させていただいて、そのあとに出願・選考試験を受けることも可能ですが、時間に余裕を持って早めに計画を立てておいたほうがいいです。
 わたしは最後までどこの病院にするかでかなり迷ったので、6年生の春までに見学・実習した先には結局出願しませんでした。夏が近くなって、ある程度考えが固まってきてからいくつかの病院に行きましたが、時間的にあまり余裕がなくて、十分に実習ができなかったところがあると反省しています。
 病院実習でのポイントは3つあります。
A. 期間を長めに取る
 最低でも3日、できれば1週間が望ましいでしょう。
 これには2つの理由があります。
 ひとつめは、その病院がどういう考え方をしているかや、職場の人間関係・雰囲気を自分が知るためです。
 もうひとつは、自分が聴覚障害を持っていても、このように実習することは可能であり、またこれはできないがこういう方法で補っていると知ってもらうためです。
B. 聴覚障害について連絡する
 病院実習を希望する旨を連絡する際に、自分の聴覚障害について伝えておくこと。
 聴覚障害の程度や、大学病院で実習しているなら実習のときの対策、これは不可能だがこれはできる、などを前もって伝えておきましょう。
 たいていは、相手方も心の準備が必要です。
C. 病院実習で見るべきポイント
 自分が働きたいと思っても、周囲の環境によってはそれが難しいことがあります。
 ひとつのポイントは院長先生や研修担当の先生が、聴覚障害があっても前向きに対処すると考えているかどうかです。
 病院で働くうえで、聴覚障害があるためにほかの人と違うやりかたをせざるを得ないときがあること、その違いに対して(すべてではなくとも)支援するという姿勢があるかどうか、実習の中で見極めてください。
 そして、医師と、医師以外のスタッフの人数や、研修医の人数もチェックしておいてください。人手が足りないと、たとえば自分ができないことをカバーしてもらおうにも難しいことが往々にしてあります。

(3) 参考
 さきほども載せた RESIDENT NAVI などは、研修病院を探すのに役立ちます。
 以下の記事も参考になりますので、一読してみてください。
RESIDENT NAVI:病院探しのSTEP
 http://www.residentnavi.com/step/step.php
RESIDENT NAVI:病院見学で何を見届けるか
 http://www.residentnavi.com/fellow/fellow01_01_v09.php

 さて、次はいよいよマッチングプログラムや病院への出願ということになりますね。
 これについては項をあらためてお話させていただきます。

就職活動-2:前項|もくじ|次項:就職活動-4
文責:Kumiko

就職活動-2

【就職活動の前に】
(1) マッチングプログラムの導入
(2) 内科、外科、救急部問(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療の7つの部門における研修の必修化
 臨床研修制度が変わり、主に上記の2つが大きく変わりました。
 この項では、そのことが聴覚障害のある医学生にとってどのような影響をもつのかを中心に、お話をします。

(1) マッチングプログラムの導入
 「就職活動-1」でもお話しましたが、マッチングプログラムというのは、わたしたち医学生(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修病院)の研修プログラムとを、研修希望者及び研修病院の希望をふまえて、一定の規則にしたがってコンピュータにより組み合わせを決定していくプログラムのことです。
 これによって卒業後に、どの病院で研修することになるかが決まります。
 マッチングプログラム自体は、すべてパソコンとネットワーク上の手続きのみで完了できるため、電話などでの連絡が必要になることはありません。プログラム自体は通常の手続きに従って行えば、聴覚障害とは関係なく行うことができるものです。
 けれども、マッチングプログラムによって研修先が決まるようになったことで、たとえば聴覚障害があることが面接などで不利にはたらき、どの研修プログラムにも決まらない(「アンマッチ」といいます)ということが発生するおそれがあります。
 アンマッチになっても二次募集があるので、そこを狙えば良いのですが、そうなると就職活動が長引いてしんどい思いをすることになってしまいます。とくに聴覚障害があることを理解してもらい、それをふまえたうえで採ってくれる病院を探すのは、時間も労力も要ります。

(2) 7つの部門における研修の必修化
 制度の変更によって、内科、外科、救急部問(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療の7部門の研修が必須となりました。2年間の間に、この7部門は必ず研修しなくてはなりません。
 平成15年までは大学卒業とともに進みたい科を選択し、そこで研修すれば良かったのです。けれども、現在は7部門すべてで研修する必要があります。
 これはつまり、外科や救急部問、麻酔科などの、マスクをして仕事をしなければいけない部門でも研修をしなければならないということです。
 平成15年までのシステムならば、たとえば外科や麻酔科を避けて進路を選択することもできたでしょう。しかし、それはできなくなってしまいました。
 そのことをふまえたうえで、わたしたち聴覚障害のある学生は就職する際に「外科や麻酔科、救急などでは健聴の人と同じようには働けない可能性が高い」ということをしっかり伝えておく必要が生じています。

 次項では、実際にどのような就職活動をしていったか、聴覚障害があるために気をつけたい就職活動のポイントは、ということをお話したいと思います。

就職活動-1:前項|もくじ|次項:就職活動-3
文責:Kumio

就職活動-1

【はじめに】
 医学生の就職活動。
 それは、もちろん病院をターゲットにした就職活動です。
 (「病院に就職して研修医になる」以外にも、大学院に進学するなどのほかの進路もありますが、一応は研修医になることを想定してここから先を書いていきます)。

 平成14年12月11日に、医師法第16条の2 第1項が公布・施行されました。
第16条の2 診療に従事しようとする医師は、2年以上、医学を履修する課程を置く大学に附属する病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を受けなければならない。
【医師法 第3章の2:臨床研修】
http://www.houko.com/00/01/S23/201.HTM#s3-2
 これをふまえて臨床研修制度が新しくなり、平成16年度より医師臨床研修マッチングプログラムが導入されました。
■医師臨床研修マッチングプログラムとは?
日本医師臨床研修マッチングプログラムとは、医師免許を得て臨床研修を受けようとする者(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修病院)の研修プログラムと研修希望者及び研修病院の希望を踏まえて、一定の規則(安定マッチングのアルゴリズム)に従って、コンピュータにより組合せを決定いたします。
【医師臨床研修マッチング協議会】
http://www.jrmp.jp/
【厚生労働省:新たな臨床研修制度】
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/
 変化のポイントは、
(1) マッチングプログラムの導入
(2) 内科、外科、救急部問(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療の7つの部門における研修の必修化
 上記の2つになります。
 詳しいことは厚生労働省のページを参照していただくことにして、聴覚障害を持っている場合にそのことがどう関係してくるのか、またどう対応していけば良いのかをこれからお話したいと思います。

臨床病院実習-5:前項|もくじ|次項:就職活動-2
文責:Kumiko
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Author:ADHIMS
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